取得できる3つの国家資格
3つの資格が有ることで、就職においても、将来の開業においてもより仕事の幅が広がります。
◆鍼(はり)師の特徴
日本の鍼は髪の毛よりやや太いくらいの太さ(0.18㎜)のものがよく使われます。
金属はステンレスが多く、感染症予防の立場から使い捨て(ディスポーザブル)が基本となります。
その鍼をツボ(経穴)、筋肉、神経などを目標に患者様の身体に刺すことによって効果を発揮します。ただ、刺さない鍼(接触鍼)もあります。
また、刺した鍼の効果を高めるため、鍼に電気(低周波)を流したり、鍼の上に灸をのせることもあります。鍼の治療方法は治療者が自由に選び、治療することができます。
鍼を刺すことは痛いというイメージを持つ人がいますが、授業では痛くない、もしくは心地良いと感じられるような技術の習得を目指します。
はり師は独立開業権があり自分の治療院を持つことができます。またそれは、鍼師が患者様の身体を診察し、病気の状況を把握・判断した上で治療することとなります。
◆鍼(はり)師の仕事内容
職場として鍼灸治療院、鍼灸接骨院、病院(整形外科、リハビリテーションなど)、介護施設、スポーツ施設などから求人があります。
開業をする場合、卒業後すぐでなく、治療院などで経験を積んでから開業をする場合が多くみられます。
◆灸(きゅう)師の特徴
もぐさ(ヨモギの葉から作られる)に火を付け、その熱により治療効果を発揮します。
指先でこよりの様に糸状(直径1㎜程度)のものから、親指大の大きさまで様々な灸を作り使用します。
小さいものは直接皮膚の上で火を付けますが、大きなものや台座がある灸では皮膚と燃える部分にすき間があいていて、やけどを起こさないようにします。
もぐさの大きさも関係しますが、熱の操作方法により、あついと思うものから、温かく気持ちの良いと思うものまであります。
多くの場合、温めることは心地が良いので、リラックス効果も期待できます。
これらは患者様の状態をよくみて、きゅう師が治療を選択します。また、鍼と灸を同時に行うこともあり、病気の状態に合わせて治療します。
◆灸(きゅう)師の仕事内容
鍼(はり)師と同じように、職場として鍼灸治療院、鍼灸接骨院、病院(整形外科、リハビリテーションなど)、介護施設、スポーツ施設などから求人があります。
開業をする場合も同じく、治療院などで経験を積んでから開業をする場合が多くみられます。
◆あん摩マッサージ指圧師の特徴
【あん摩】
あん摩は中国に生まれ、日本に伝わり古くから医療手段のひとつとして用いられました。その後、一般大衆にも親しまれるようになりました。
薄い衣服の上を、身体の中心から手足に向かって「さする、もむ、押す、叩く」などの方法で身体の変調を調整し、健康増進を促します。
現在では、マッサージと言われるものの多くがあん摩のことを指します。
【マッサージ】
明治にヨーロッパより日本に導入され、医療機関などで用いられるようになりました。
肌の上から直接、滑剤(オイルなど)を使い、身体の末端から中心部に向かって行います。現在ではオイルにアロマエッセンスを入れてマッサージする治療院もあります。
【指圧】
日本でいくつかの手技療法を取り入れ、確立されたものです。
母指を中心に手のひらなどを用いて、押すこと主体として、身体の中心から手足に向かって行います。
あん摩マッサージ指圧は厳密には、それぞれの方法や目的に違いがあり、実際の治療院では良いところをミックスして行っている場合や単独で治療を行っている場合もあります。
◆あん摩マッサージ指圧師の仕事内容
職場としてあん摩マッサージ指圧治療院、病院(整形外科、リハビリテーション)、介護施設、スポーツ施設などから求人があります。
その中でも訪問医療マッサージの求人が最も多く、国家資格取得後すぐに、機能訓練指導員として介護施設で働くことができます。
(はり師、きゅう師は半年以上の実務経験が求められます)
また、医療機関においてリハビリテーションの実務を行い、所定の機能訓練技能の研修により、運動器リハビリテーションセラピスト等の認定を受けることができます。
本科では、地域での開業を目標とする国家試験合格を念頭に、3年間の教育課程に万全な体制で臨んでいます。
◆あん摩マッサージ指圧師
医療
「運動療法機能訓練技能講習会を受講し、定期的な研修を修了している」場合に技能認定登録者として、リハビリテーション病院で働くことが出来ます。この資格は介護施設においても理学療法従事者として働くことが出来ます。
介護
国家資格が取得できると、直ちに機能訓練指導員として介護施設で登録、働くことが出来ます。また、国家資格に基づく業務の実務経験が通算5年以上、従事した日数が900日以上となるとケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格が得られます。
◆鍼灸師
介護
平成30年から鍼灸師も機能訓練指導員として活躍できるようになりました。ただし、機能訓練指導員の在籍する施設において、半年以上の実務経験が求められています。